SFC特典の一つに「優先搭乗」があります。
他の人よりも先に飛行機に乗ることができる、という特典ですが、果たして意味があるのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そのメリットについて、考察してみます。
優先搭乗の基礎知識
まず優先搭乗とは何か、ということですが、まあその通りに「飛行機に先に乗ることができる」というだけのことなんですよね。
例えばANA国内線の場合、「事前改札サービス」→「ダイヤモンド会員」→「プラチナ会員・SFC会員・スターアライアンスゴールドメンバー・プレミアムクラス搭乗者」→「その他の搭乗者」という順に搭乗が開始になります。
機材によっては、「その他の搭乗者」をさらに区分して「後方の座席の人から」とか「窓側の人から」とか案内されている場合もありますよね。
搭乗口付近は、当たり前ですがその時その飛行機に乗る人のほとんどが集まるため非常に混み合います。
その列に並ぶことなく、スムーズに搭乗をすることができるというわけです。
優先搭乗でも並ぶ時は並ぶ
しかしながら、優先搭乗って個人的には、SFCで得られるメリットの中でもいまいち実感できないかなあーというものなんですよね。
というのも、路線によっては優先搭乗開始の時点でもうかなり並んでいて、あんまり優先されている感じもしないんですよね。
羽田⇔伊丹なんかのビジネス路線では、全体の3~4割が上級会員ということもあるとかないとか。全然優先されてない、というか優先されている人同士での列が発生しちゃうということも多いわけです。
これまでに記事にしてきた「専用保安検査場」とか「優先チェックインカウンター」では、場合によっては無双のようなスムーズさを発揮できることも多いんですけど、こと搭乗に関してはどのみちちょっとは並ぶんだというくらいの意識が必要じゃないかと思いますね。
どんなに早く飛行機に乗ったところで飛行機が飛び立つ時間は変わらないので、それならギリギリに乗ろうかな・・・という人もいるでしょう。
もちろん、新千歳⇔関西の朝一の便とか、あんまり利用されてないような便だと優先搭乗の列なんかないのでその場合はメリットありそうですけど、混んでなかったらそもそも優先して乗らなくてもいいかな・・・ということも言えたり。
それでも早く乗るメリットは何か
それでも飛行機に早く乗ることができるメリットは何かと言えば、一番は「機内持ち込み荷物を一早く収納することができる」ということでしょう。
搭乗開始してしばらくたってからだと、荷物入れるところを探すのに一苦労、みたいな状況もよくありますし、通路も狭いので後ろの人を気にしたり荷物入れてる人を気にしたり、みたいなことが多くなるので、これらを回避できるというのはメリットであると言えそうです。
ちなみにこの優先搭乗は「会員本人のみ」の特典です。SFC会員の夫、SFC家族会員の妻、子供2人、というよく出るモデル家族の場合には、夫と妻しか優先搭乗の権利がありません。
家族全員分の荷物を夫が持ち、優先搭乗して収納場所を確保するなんていうちょっと切ない光景にもなりそうです。
まあ、実際の運用では同行者も一緒に通してしまう、ということも多そうですけどね。断られたという話を聞いたこともないですし。
権利もないのに「同行者も優先搭乗させてください」とは言えないところではありますが、このへんは下手に断ると逆に混雑の原因になるとも考えられますし、ANAさん側が状況によって臨機応変に、柔軟に対応してもらえるところではないかと思います。
乗る飛行機によって優先搭乗するかしないかを変える
一つ、優先搭乗にあまり意味がないのではないかと特に言える状況があります。
それは、いわゆる「沖止め」の状態、飛行機に乗るためにバス移動を伴う時です。
この場合の優先搭乗は、飛行機に優先して乗ることのできる権利、ではなく「移動のためのバスに優先して乗ることのできる権利」です。
場合によっては、優先搭乗をしたバスに次々と搭乗客が乗り込んできて、結果降りるのが一番最後になってしまう・・・ということもあります。
もちろん、優先して乗ることでバスの座席を確保できるということもありますので結局は状況によるのですが、ボーディングブリッジを利用する搭乗に比較すると、ちょっと駆け引きが必要というか状況の見極めと運次第、という状況になりやすいと思います。
乗る座席によって優先搭乗するかしないかを変える
あくまで自分の場合、ですが。
窓側の時は優先搭乗して、通路側の時は最後の方に乗る、というのをやったりします。
自分が窓側に座る時に先に通路側の人がいてしまうと、その方に一旦よけてもらって自分が入って、というのをやらないといけなくなってしまいます。
そうすると後ろもどんどん詰まって来るので、これをできるだけ避けたい。
よって窓側に座る時にはさっさと優先搭乗してシートベルトも締めて爆睡して、気が付いたら雲の上みたいなことになるかな、と。
逆に通路側の時は、窓側の人が後から来た時に自分がよけないとならなくて、それによって他の搭乗客とかCAさんに迷惑がかかってしまうという心配があるので、全員が乗って最後に通路側の自分が座る、という感じにしたいわけです。
特に自分の場合、座席の上の物入れに荷物をしまうような手荷物を機内に持ち込むことがないので、なおさらです。
まあ結局は、その時々の状況によって優先搭乗するかしないかを「選択できる」というのがメリットだと思うのです。
さっさと飛行機に乗って寝てしまいたいと思うこともあれば、少しでも長くラウンジにいたいとか、搭乗直前にトイレ行ってたら思いがけず長くなってしまったとか、同行者がいっぱいいるとか、まあいろんなことは考えられますからね。それぞれの状況に応じた適切な選択ができるというのが、メリットなのだと思います。
座席上の棚に荷物を入れなければならなくて、でも自分の席の近くの棚にスペースがなくて、どうしようとかやってる間に後ろに行列ができていて後ろからのプレッシャーがハンパない時とかありますからね。
まとめ
優先搭乗は便利だが、時に普通に搭乗するのとあまり変わらないこともある。
その時々の状況に応じて「選択できる」というのがメリットであると言える。
今やプラチナ会員・SFC会員程度の上級会員はあふれていますのでドヤ顔して優先搭乗、という感じでもありません。
そのフライトにおいてはどういう動き方が自分にとって最適か、それによって選ぶといいのではないでしょうか。
メリット感じないとか言いつつ、なんだかんだ自分はつい優先搭乗しちゃいます。